海馬 脳は疲れない
- 海馬 脳は疲れない (新潮文庫)
- 新潮社
- 本
海馬―脳は疲れない:池谷裕二、糸井重里
▼
・海馬は、ノウハウ満載ですべてを実践することが難しいという難点?はありますが、絶対、手に入れて後悔しない名著。
はじめにより…
頭がいいとか悪いとかいうことは、お勉強ができるとか、難しいことをよく知っているということとは違います。「こまやかな気配り」「いざというときの適切な対応」「おもしろい遊びの発見」「的確な状況判断」……
というようなことを自然にできる人がいると、周囲の人たちは「あの人は頭がいい」と言います。
…私は、私にとっての「良い本」と「そうでもない本」との評価基準を、私にどれだけ希望と勇気をくれたかで判断しています。つまり、私が知らなかった世界のことを私にもわかりやすい平易な言葉で説明してくれて、私がその世界にアクセスするための手段を教えてくれた本が、私にとっての良い本です。
私にとっての良い本は、例外なく、著者自身が経験から導き出された仮説→体験による検証→新たな仮説というサイクルを回しています。ですから、耳学問の寄せ集めででっち上げた内容よりも、はるかに説得力があるのです。
ポップアーティストが歌をつくる時なんて、たくさんの人に受け入れられないと 仕事がなくなっちゃんんだから、切実に5文の4の人にも受け入れられて、 なおかつこれまでと違うワクワクすることは何だろうと考えざるを得ない。
歴史を見てきても、常に「つらくてもおもしろいことをしたい人たち」が、5分の4の人を養う仕組みをつくってきたと思えるんですよ。
5分の4の人の求めているはずの「これまでどおり心地よいもの」と、5分の1の人の求めている「今までと違う、ワクワクできるもの」との 折衷案を見出すと言いますか。