法則は 知ってるようで 知らないの
哲学史を学んで、哲学をしたつもりになってはいけないように、
あらゆる事実は、知ったからといって、法則を理解しているとは限らない。
私たちは、事実を知って、仕組も理解したような気になってしまいがちだが、
ちゃんと仕組みを理解していないと応用が利かない(効かない)。
難しい問いに対しては、自分のアタマで考えた回答をすることができず、
どこかで聞いたことのあるような、ステレオタイプな回答になりがちだ。
自分のアタマで考えるということは、事実を覚えるという方法では身につかない。
ケーススタディやシミュレーションを繰り返し、異なる問いに対しても仕組みを
当てはめられるようになる必要がある。
何か聞かれた時に、自分のアタマの引き出しを探しているような人は要注意だ。
使い慣れた物差を引っ張り出すことも、止めておいた方がいい。KBの物差で
ZBやYBのは測れないからだ……
- 知っているようで知らない 法則のトリセツ
- 徳間書店
- 本
タイトルの通り、知っているようで知らないことがたくさん記述されています。 ビジネス書としては、10冊分ぐらいの密度があります。 そういう意味では、大変お買い得な本で、おすすめできますが、上級者向だと思います。 巻末に索引が付いていることも、とても良心的だと思います。 一度、読んで終わり。という感じではなく、辞書のようにデスクに一冊って 感じの本です。でも、読み物としての面白みには、欠けるかな…
自己啓発書には、4つの象限があるような気がします。事実に基づいて極めて体系的にまとまっていて、後から読み返しても知りたい部分に短時間で到達できる辞書のようなもの…
事実に乏しく体系的にはまとまっていないが、過去の偉人などが残したエピソードをふんだんに引用して、記憶に残る物語のようなもの…残る象限は、事実に基づいて体系的にまとまっており、かつエピソードもふんだんに用いられている完全無欠なもの…最後は、どこまでが事実でどこからが著者の意見なのかが曖昧で、印象に残る引用もないもの…
どれが良いかは、読者の好みにもよりますが、この本も貴重な存在です。