人を失敗に導く、自尊心の欠如は常に、精神医学の諸学派が認める三つの感情の問題、つまり不安、罪の意識、劣等感の複合体が原因になっている普遍的な病です。人間は、他の事を諦め、犠牲にする準備さえできていれば、どんな目標でも達成できます。

　私たちの強さは弱さから生まれます。秘密の力を備えた憤りは、私たちがこっぴどい攻撃にさらされ、つつかれたり刺されたりするまでは目覚めません。人間は、苦しめられ打ち負かされるとき、才覚を発揮すること、勇気をもつこと、真実をつかむこと、無知を知ること、節度や、生きるための本当の技術を獲得することなど、何かを学ぶチャンスを得ます。たった一つの確かな成功の手段は、どんな仕事をしていようと、自分に期待されている以上の奉仕をすることです。

　「人間は、他の事を諦め、犠牲にする準備さえできれば、どんな目標も達成できる」…ラカンの言葉を借りて言い直すと、「人間は、他人の欲望を諦め、自分自身の欲望を選択し集中すれば、どんな目標も達成できる」となるでしょうか？