シンボリック・アウトプット
・顧客は、企業の中身を信用することで、生む商品やサービスの品質を信用する。企業の中身に共感することで、顧客自身のアイデンティティを支えるために、その企業が生む商品を身につけ、サービスを享受する。
1989年12月4日に発行された本なので、既に24年の歳月が経過しているわけだが、その内容には、まったく古さが感じられず、まさに閉塞感が溢れる今において、企業が顧客に対して、企業の中身を、なぜ伝えていかなければならないか、どのように伝えて行けばいいのかが、記述されている。
企業の中身を顧客に伝えるために、シンボリック・アウトプットを行うという行為は、数値目標化できない課題であるが、数値目標に極めて大きな影響のある問題でもある。
顧客が企業に向ける信頼、共感とは、まさに企業の経営者や従業員に対する信頼であり、共感である。信頼に足る理念を持つ経営者と信頼に足る技術を持つ従業員によって、生み出された商品やサービスだけが顧客に満足を与え、共感できる価値観を持つ経営者とセンスの良い従業員によって生み出される商品やサービスだけが、顧客のアイデンティティを支えることができるのである。
しかも、その理念、技術、価値観、センスは、付け焼刃ではいけない。企業を構成する人そのものでなければならないのだ。