ディフェンスラインを上げろ! @ 作業興奮だ!

ディフェンスラインを上げろ!というタイトルですが、このブログのテーマは、サッカーではありません。私がディフェンスラインを上げろ!と言っているのは、個人や組織の能力の底上げを意味しています。天才ならともかく、凡人は、特定の能力を高めるよりも、汎用性の高い能力の底上げが大切です。この考え方は、私たち一人ひとりの人生にも、組織の運営にも、必要な意識をもたらすものだと信じています。

ロジカル・ライティング


 多くの職場には、利益を生まない“仕事のための仕事”が蔓延しているのではないかと思いますが、仕事の最終目的は、相手に動いてもらうことなんですよね。そのためにはそうする意義を伝えなければならないのです。

 ’98年にIBMに入社し、最終的に研修部門の部門リーダーを務め、’13年に独立された清水久三子さんによる著書。コンテクストの異なる人が集まるグローバル企業で人材開発に携わり、在職中にも執筆活動を開始されていた清水さんの文章は、まさにロジカル・ライティングで、たった200頁の本の中に、目標を達成するために必要なビジネススキルが、ライティングという枠組みを超えて収まっている。資料作成、プレゼンテーションなどコミュニケーションスキルを磨きたい新入社員から新人教育に携わる方まで、広く薦められる良書だと思います。

 関係者に先ず「意味」を理解してもらって、更に「意義」を理解してもらう…今、コミュニケーションが躓いているのは、意味の方なのか、それをも意義の方なのか、そんな自問自答を常に繰り返す習慣を身につけないと^^;

 ビジネス書は、著者の経験に基づいて書かれた精神論的なものが多いのではないでしょうか?一方、初心者向けに包括的に書かれたものは、ルールやマナーについては書かれているものの、何のためにという掘り下げが足らないものが少なくありません。そんな中で、この本は、包括的かつ系統立てて書かれており、一人一冊手に入れ、何か迷ったら書棚から引っ張り出して参照したい水準だと思える良書です。

 資料をまとめなければならない時、この本を参照しようと思ったら、鞄に入っていませんでした。常に携帯、もしくは、職場に置いておく必要がありそうです。

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私とは何か――「個人」から「分人」へ


 著者の平野啓一郎氏さんは、たった一つの「本当の自分」など存在しない。対人関係ごとに見せる複数の顔が、すべて「本当の自分」であると、「分人(dividusl)」という新しい単位を導入した。
 
 この本は、流山おおたかの森S・Cにある紀伊國屋書店で、タイトル買いしたものです。最初は「分人」という文字ずらとしては平易な言葉に込められた意味を直ぐに理解することが出来ず、積読になっていましたが、読み進めるにつれ「分人」という概念の発見は、フロイトの「自我」「エス」、ラカンの「欲望は他者の欲望である」「対象a」と並ぶ大発見なのではないか?と思いました。

 「平野啓一郎さんは、心理学者でも精神科医でもなく一人の小説家である…」平野さんは私たちが、このように「他者から本質を規定されて自分を矮小化されることを恐れている」と書いている。私たちは、コミュニケーションを交わす相手ごとに、その相手にフィットした自分の中の「分人」を発動させ、適応することによって、人間関係を円滑にし、人生を楽しんでいる。平野さんは、世間から小説家と規定されているが、この本で「分人」という単位を提案する姿は、紛れもない心理・精神の探求者であり、私は、大きなパラダイムシフトの兆しを予感させる。

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龍は眠る


 宮部さんは『ソロモンの偽証』の卓也のように、物事を深く考えすぎる少女だったのではないだろうか。そして、卓也の様に“未必の故意”の殺意を以て自分を殺してしまわないように、自分の中の、神原を発動させ、死の淵から自分を救いだすように、物語りを書き綴っているのではないだろうか。だから、面白いミステリーを書いてやろうと企てる作者とは、ステージの違う作品が刻まれ、読者を刺激し聖書になるのだ。31歳時の作品だが、既に類稀な構成力を身につけ、この作品の10年後、現実と小説の境界が失われる程の『摸倣犯』が上市されるのだ。

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シフォン・リボン・シフォン


 '14/7から『サクリファイス』を皮切りに、近藤さんの作品を読んできました。この本は、25冊目になるのですが、初めて近藤史恵さんの素顔に触れた感じがしました。この作品を読むと、今までの作品は、近藤さんが想いを型に嵌めようとしているかのようにすら感じるのです。

 物語りは、寂れた商店街に華やかなランジェリーショップが開くところから始まります。そしてそこに飾られた美しくてフィットする下着が、行き詰った人の心を開放してゆきます。まだ、読んでいない作品もありますが、一番を挙げろと言われたら、この作品を押したいです。

 この物語り、私は、とても好きです。それぞれの話しに登場する主人公たちの前に立ちふさがる問題は、私達にとっても避けて通れないような身近な問題ですが、それは、私達の心も持ち様で解決できないまでも、緩和することができるのかもしれません。

 近藤史恵さんというお姉さんに(実際には私より11歳も年下なのですけれども)手を引かっれ、ワンダーランドに連れていかられたアリスの様に、次から次への繰り出される謎の真相を知りたくて、むさぼるように読んでしまいました。本当に多彩な方ですが、その根底に流れるものは一貫していて、素晴らしい作家さんだと思います。

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ダークルーム


著者 : 近藤史恵
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日 : 2012-01-25
 高級フレンチレストランに毎晩ひとりで来店する謎の美女… 自転車に乗る時は、いつもヘルメットをする彼女が長い髪をなびかせ車の前に飛び出した… 隣に引っ越してきた二人の魅力的な青年… つまらない絵を描き、絵に対してピント外れのことを言う男の子… 

 意識では、自分自身の才能を信じたいのだけれども、深層心理では、自分に才能がないことを知っている若者達、彼らは、そんな自分を愛したいのだけれども、意識と深層心理との乖離が自分自身を愛する気持ちを妨げる。

 近藤さん初の短編集は、登場人物の挫折を描くことで、私達が抱く夢をまるで好きな異性への告白を断られるように打ち砕く。それは、現実を突きつけられたり、古傷に塩を擦り込まれるように沁みる。私達は、登場人物の行方から、自分の物語りを紡ぐための手がかりを手繰り寄せるのだ。

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