ディフェンスラインを上げろ! @ 作業興奮だ!

ディフェンスラインを上げろ!というタイトルですが、このブログのテーマは、サッカーではありません。私がディフェンスラインを上げろ!と言っているのは、個人や組織の能力の底上げを意味しています。天才ならともかく、凡人は、特定の能力を高めるよりも、汎用性の高い能力の底上げが大切です。この考え方は、私たち一人ひとりの人生にも、組織の運営にも、必要な意識をもたらすものだと信じています。

シフォン・リボン・シフォン


 '14/7から『サクリファイス』を皮切りに、近藤さんの作品を読んできました。この本は、25冊目になるのですが、初めて近藤史恵さんの素顔に触れた感じがしました。この作品を読むと、今までの作品は、近藤さんが想いを型に嵌めようとしているかのようにすら感じるのです。

 物語りは、寂れた商店街に華やかなランジェリーショップが開くところから始まります。そしてそこに飾られた美しくてフィットする下着が、行き詰った人の心を開放してゆきます。まだ、読んでいない作品もありますが、一番を挙げろと言われたら、この作品を押したいです。

 この物語り、私は、とても好きです。それぞれの話しに登場する主人公たちの前に立ちふさがる問題は、私達にとっても避けて通れないような身近な問題ですが、それは、私達の心も持ち様で解決できないまでも、緩和することができるのかもしれません。

 近藤史恵さんというお姉さんに(実際には私より11歳も年下なのですけれども)手を引かっれ、ワンダーランドに連れていかられたアリスの様に、次から次への繰り出される謎の真相を知りたくて、むさぼるように読んでしまいました。本当に多彩な方ですが、その根底に流れるものは一貫していて、素晴らしい作家さんだと思います。

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ダークルーム


著者 : 近藤史恵
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日 : 2012-01-25
 高級フレンチレストランに毎晩ひとりで来店する謎の美女… 自転車に乗る時は、いつもヘルメットをする彼女が長い髪をなびかせ車の前に飛び出した… 隣に引っ越してきた二人の魅力的な青年… つまらない絵を描き、絵に対してピント外れのことを言う男の子… 

 意識では、自分自身の才能を信じたいのだけれども、深層心理では、自分に才能がないことを知っている若者達、彼らは、そんな自分を愛したいのだけれども、意識と深層心理との乖離が自分自身を愛する気持ちを妨げる。

 近藤さん初の短編集は、登場人物の挫折を描くことで、私達が抱く夢をまるで好きな異性への告白を断られるように打ち砕く。それは、現実を突きつけられたり、古傷に塩を擦り込まれるように沁みる。私達は、登場人物の行方から、自分の物語りを紡ぐための手がかりを手繰り寄せるのだ。

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あなたに贈るキス


 2013年に発見された、唇を合わせると感染し数週間で死に至る病。そのキャリアを判定する検査法は、2028年になっても実用化されていなかった。ある日、全寮制の学園で女生徒が亡くなった。彼女は、美詩が「自分を受け入れてくれる場所などどこにもない」と思っていた時に、柔らかい笑顔をくれた人だった。
 始めは少女漫画の様に、近未来の全寮制の学園を舞台に繰広げられる物語は、頁が残り少なくなる頃に近藤史恵さんらしい独特の香りが漂い、読者にも少女のような硬い殻を脱ぎ捨て、大人の女性として翅を広げることを促しているようだった。

 これって、私が読んだ近藤史恵さんの中で、初めてのSF?いずれにしても、男性の作家さんには書けない世界、いつまでも少女の心を忘れない近藤史恵さんが、少しずつ現実を受け入れてゆかなければならない少女たちに贈る物語り。もちろん、既に現実を受け入れ逞しく生きている大人の女性の皆さんにも、あの頃の健気な自分を思い出させてくれるのではないでしょうか?

 近藤史恵さんは、常に新境地を拓くように創作活動を続けられていて、凄いと思います。でも、どの世界も、結局、史恵ワールドに収斂してしまうという結末もファンにとっては嬉しいではありませんか!「何らかの理由で自分の居場所を見つけ出せないでいる少女~若い女性が、新しい出会いから出口を見出し、力強く歩きだす。」という物語りは、多くの読者に、希望と勇気を与えてくれるような気がします。

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ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)


 ナミヤ雑貨店と丸光園という児童養護施設をめぐって繰り広げられる物語は「ナミヤ雑貨店のシャッターポストと牛乳箱を通じて二つの時制が繋がっている」という設定だ。それにしても東野圭吾さんは、こんなに心暖まる話も描けるのね♪失礼なことを思ってしまう程、良い本だった。もしかしたら私がこの本を手に入れられたのも『ナミヤ雑貨店の奇蹟』かもしれない…

 「第五章 空の上から祈りを」の9からは、まさに頁を捲る手が止まらず、文字を追う目のスピードが全速力になりました。そして、この素晴らしい結末の余韻を楽しめないようなスピードでゴールを走り抜け、クールダウンも出来ずにその場に倒れてしまいました。『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は、私が出会った33冊目の東野作品ですが、今は、この物語りが一番好きです。これからゆっくり余韻を楽しみます^^

 2012年3月に角川書店から刊行され、ブックオフでもこなれた値段になっていたので、なんでもっと早く読まなかったのかなぁとちょっとだけ後悔しました。東野圭吾さんは、ただのベストセラー作家ではない。読者の心の中に、希望と勇気を灯すことのできる作家さんなんだなぁ~と改めて思いました。

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エデン


 時々、誰かに薦めたくなるような作品に出会う。この『エデン』も間違いなくその一つだ、この物語りを堪能するためには、前作である『サクリファイス』を読んでおくことが欠かせないが、それだけの価値がある。前作である『サクリファイス』は、私にとって「物語の不自然さ」が気になった。それに対して『エデン』は、非常にリアリティがあり『サクリファイス』を超えた傑作だと思う。

 正に『サクリファイス』というアシストの陰からトップに躍り出てマイヨ・ジョーヌを手に入れてしまったエースのようだった。

 人間の強さと弱さ、醜さと美しさを描きだし、世界の光と闇を感じさせる。前作同様、チカの成長譚とも思える淡々とした展開が、終盤になって急展開!伏線を流し読みした私の予想を超えた事件が起こり、ニコラの心を追込む。そう、この物語りも、チカの一人称で語られるが、本当の主役はニコラなのかもしれない。彼は、才能に恵まれただけの完全無欠のヒーローではなかった、生き残るために、夢をかなえるために、ドニを利用し、狡猾に這い上がって来たのだった。しかし、運命はニコラの良心に試練を与え、ニコラは苛まれ、ドニに告白してしまう。

 私たちの人生も、実は自分自身の力によってもたらされたものではない。両親や兄弟の犠牲の陰から躍り出て得たものに違いない。私達も、チカやニコラほどではないにせよ、夢をかなえるために、自分自身が気が済むように生きるために、誰かを犠牲にして生きている。

 私たちは、誰かを犠牲にして生きている…また、誰かの犠牲になっている…でも、それは、この世に生まれてきた以上、絶対に避けられないことでだ。だからこそ、チカのように犠牲になってくれた人の思いを裏切らないように生きたいし、犠牲になることを自分の自己実現に繋げたいと思った。

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