日本語〈上〉、日本語〈下〉
- 日本語〈上〉 (岩波新書)
- 岩波書店
- 本 金田一春彦
《日本語だけとは言わなくても、ほかの多くの言語には見られず日本語に見られる性格を明らかにすることは、いろいろな点で有意義であることはまちがいない。国語問題を考える上に、また日本語の使い方、つまり日本語による話し方・書き方を考える上にも役に立つであろうし、あるいは日本語教育を考える上に、また日本語の系統とか、他言語との交渉とか、日本文化の特色、日本人の精神内容を考える上にも、参考になるに相違ない。この小著の中で述べようとするのは、そのようなことについて、多くの先達の研究を借り、まとめた論考である。》
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- 日本語〈下〉 (岩波新書)
- 岩波書店
- 本 金田一春彦
終戦直後、占領軍が日本を支配していた時に、アメリカの文部省・日本支部ともいうべきCIE(民間情報教育局)では、日本語の表記方法の難しさに驚き、日本人の幸せのため、日本人に漢字や仮名を捨てさせ、ローマ字を使わせようとした。ただし、その前にしたことがえらい。何年何月何日から一斉にローマ字を使えという指令は出さなかった。すべての日本人に読み書き能力の客観的な調査を行い、その結果、おまえたちはこのように読み書き能力が高い、だからローマ字を使うようにという段取りをとろうとしたのである。…その結果はどうであったか。…
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