自分も「教科書が読めない子供たちさぁ~♪」と思った?
『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を読んで、私は(子どもではなく、老人になりつつあるオジサンですが)、自分の読解力が「AIや教科書が読めない子どもたち」並みであることに気付いてしまいました。
- AI vs. 教科書が読めない子どもたち
- 東洋経済新報社
- 本
そんな時、BOOKOFFで見つけたのがこの「わかったつもり」。曲がりなりにも、文章を書くことが生業なので、危機感を募らせています。早飲み込みという悪い癖を克服するためにも、自分の実力を客観的に把握した上で、必要な施策・方策を打っていきたいと思いカゴに入れました。
わかるということは、具体的な指示がわかる、ということではなくて、コンテクストも含めて、抽象的にわかる、ということなのではないかと思います。そのためには、そこに書かれているすべての言葉と文章の両方から理解するということが必要なのだと思います。
私たちが文章を読む時、その文章が示唆する「何の話(文脈)」から、「スキーマ(私たちの中に既に存在しているひとまとまりの知識)」を発動して、わかろうとするわけです。つまり、私たち一人ひとりが持っている「スキーマ」の違いによって、わかりかたが違ってくるわけです。私たちは、同じ情報を与えられれば、知ることは同じだと思いがちですが、知ることは、人それぞれ違うのです。
きちんと体系的に書かれているので、まどろっこしく感じましたところもありましたが、読み終える頃には「矛盾」や「無関連」を克服し「わかったつもり」から「よりよくわかる」段階に到達できたのではないかと思います。私のように、自分も「教科書が読めない子供たちさぁ~♪」と思った人は、迷わず手に入れてほしい。目から鱗が落ちることは請け合いです。