ブッダに学び、解脱を目指す。

「ディフェンスラインを上げろ!」というタイトルから、「ブッダに学び、解脱を目指す。」というタイトルに変更しました。私の関心が、仕事から人生へと変わったからです。とは言っても、このブログのテーマは、仏教ではありません。自分が幸せになるために、他の人たちにも幸せになっていただくために、釈尊に始まる仏教の智慧、哲学のアプローチ、心理学の知識を学び、活用していきたいと思います。

レタス・フライ Lettuce Fry

レタス・フライ Lettuce Fry (講談社文庫)
レタス・フライ Lettuce Fry (講談社文庫)
講談社
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 冒頭に収められている「ラジオの似合う夜」を読んだ時の喜び、巻末の「ライ麦畑で増幅し」も、私にとってとても嬉しい物語でした。これは『イナイ×イナイ』が刊行された'07/5に初出した話ですが、Xシリーズの3巻目に当たる『タカイ×タカイ』までを読み終えたこのタイミングで出会えたことで、よりしっとりした感動を味わえました。


 森先生は、このようなサプライズを演出することがとても上手く、読者は期待していなかったギフトのリボンを解く度に目頭を熱くしてしまうのです。S&Mシリーズ、Vシリーズ、四季シリーズ、Gシリーズ、そしてXシリーズ…森先生の壮大なサーガに寄り添う短編集たちは、卵をタップリ含んだフレンチトーストのように、しっとりした味わいがありました。


 そういえば、Gシリーズの主力メンバ(山吹、加部谷、海月)と真打ち?萌絵に加え叔母様まで登場する「刀之津診療所の怪」も楽しい作品です。謎の医師は、誰なのか(最後に分りますが)、そこに現れる謎の男は誰なのか(私は特定に至っておりません)…まだ、謎が残っていることを思い出してしまいました('◇')ゞ


 謎の医師、そこを訪れる謎の男の正体を知るために『今夜はパラシュート博物館へ』に収録されている「ぶるぶる人形にうってつけの夜」を確認いたしました。だとすると、謎の医師は、ロベルト、謎の男は、まさか…


 森先生の短編集に収録されている「こぼれ話の類」は、今野敏さんの『隠蔽捜査』シリーズにおける0.5のような位置づけで、本編を楽しんだ読者のみが、その魅力を堪能できるという味わいです。グリコじゃないけど、おまけの方が楽しみだった少年時代を思い出します(^^♪ 謎の男が持っているものが、あれだとしたら、医師の先輩である可能性もありますよね…


 実は昨日('16/9/17)、『ムカシ×ムカシ』『サイタ×サイタ』の講談社ノベルス版をブックオフ イトーヨーカドー柏店で発見したのですが、『イナイ×イナイ』『キラレ×キラレ』『タカイ×タカイ』は、文庫版を買ったので、躊躇して買えませんでした。でも、この『レタス・フライ』を読み終えたら、Xシリーズの続編を読みたくなってしまいました。どうしようかなぁ~


 Vシリーズで出会った人たちが、私と同じ50代になり、『すべてがFになる』から始まった、サーガも終盤に近付いてきている予感がします。でも、きっと、読み終えてしまったとしても、その余韻を味わい続けることができるような気がします。


『キウイγは時計仕掛け』を読んでいるうちに、講談社ノベルス版であっても、『ムカシ×ムカシ』『サイタ×サイタ』を手に入れた方が良いかどうか(それでも読みたいかどうか)検討します! 今後の課題は、百年シリーズ(未取得)、Wシリーズ(未取得)、スカイ・クロラシリーズ(コンプリート済)と、どのように付き合って行けばいいかということです。


 新書も含めると、森先生の作品を45冊読んできましたが、森先生の作品との蜜月(相思相愛というわけではないので誤用かもしれませんが)も、そろそろ終わりに近づいているのかもしれません。でも、あまりにもインパクトが強かったので、簡単には他の作家さんの作品を読み始めることができないような気もします。しばらくは、自己啓発書でも読もうかな…


 講談社ノベルス版の『すべてがFになる』を読み終えたのは、2015年の12月12日なのですが、このペースで行けば、今年中に刊行されているS&Mシリーズ絡みの作品を読み終えることができそうです。


 とても変な表現ですが、森博嗣さんの作品は、殺人事件が起きてもエレガント!?なので、もう宮部みゆきさんのようなリアリティのある作品には、しばらく戻れないかもしれません('◇')ゞ


 女性のファンは、Vシリーズが一番好きだ!と仰る方が多い一方で、彼女たちから、林なんやねん!と評価される警部…でも、レタス・フライを読むと、警部が大好きになりますし、へっ君にも警部の血が流れていることが実感されます。一夜明けて思うこと…だから森ワールドから抜けられない…


 作家さんは、星の数ほどいらっしゃるかもしれませんが(そんなはずはない)、森先生のような重厚長大なサーガを(ファンタジーではなく)現代社会を舞台に描いている方は、「こち亀」の秋本治氏ぐらいではないでしょうか(・・? 凄いと思います。


 今野敏さんの『隠蔽捜査シリーズ』も面白いですけど、森博嗣さんの『S&Mシリーズ』『Vシリーズ』『四季シリーズ』『Gシリーズ』『Xシリーズ』も面白いですよ♪、そして、『まどろみ消去』『地球儀のスライス』『今夜はパラシュート博物館へ』『虚空の逆マトリクス』『レタス・フライ』などの短編集は、今野敏さんの『隠蔽捜査シリーズ』の『初陣:隠蔽捜査<3.5>』『自覚:隠蔽捜査<5.5>』のような、著者からのファンに対するギフトです。


 森博嗣さんの本を読むと、自分の小さな「箱」から脱出することができるような気がします。それは、森先生が、ご自分を客観的に観て、それを文章にしている気がするからです。森先生は、きっと林のような人で、犀川創平のように生きたいのではないか(・・?と邪推(?_?)する私です。


『レタス・フライ』に続いて、『キウイγは時計仕掛け』を読んでいるところです。Gシリーズの主力メンバーたちに加え、萌絵、犀川先生、国枝先生という豪華キャスト?で始まり、どんな物語を見せてくれるのか、楽しみです。

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