自分に適した仕事がないと思ったら読む本
どんなプロでも最初は素人です。彼らのいる場所さえ見失わなかったら、必ず追いつけます。「自分の知らなさ加減を知れ」、あるいは「自分の水準を知れ」といったことになるでしょうか。到達すべき水準を知っているかどうかが重要です。
ベテランとおなじものを作るには、自分に何がたらないかを考えることです。それを補うことで目標に近づけます。はじめは足らないものだらけでかまいません。いかに遠い道のりであろうと歩みを止めなければ、いつかは目的地にたどり着きます。
匠の技は、よく暗黙知と言われますが、今や匠の技を持ち、素人との溝を見せつけているのは、工匠や大工だけではありません。例えば、英会話を例にとっても、単にTOEICで高得点が取れる人と、英語圏の歴史や文化、宗教などに精通している人とを比較した場合、当然のことながら後者の方が匠であり、相手とのコミュニケーションが円滑になるわけです。
また、鍛冶屋のような職業であっても、経験だけではなく、科学的な知識を動員し、どのような素材をどのような工程で加工すれば良いものが出来るかを研究しているような人が、現代社会における匠なのです。そうです。後からスタートして追いつく方法は、背景の理解なのです。