ブッダに学び、解脱を目指す。

「ディフェンスラインを上げろ!」というタイトルから、「ブッダに学び、解脱を目指す。」というタイトルに変更しました。私の関心が、仕事から人生へと変わったからです。とは言っても、このブログのテーマは、仏教ではありません。自分が幸せになるために、他の人たちにも幸せになっていただくために、釈尊に始まる仏教の智慧、哲学のアプローチ、心理学の知識を学び、活用していきたいと思います。

カントの人間学


 心も弱っている時に、意外と効く特効薬が、哲学関係の本だと思うのです。

 1997/12/20第1刷発行なので、20年前の本ですが、そこから更に5年半遡る1992/6に刊行された『モラリストとしてのカント』をやや縮小し適宜改変したものとのことです。

 この本は、『フロイト―その思想と生涯 (ラッシェル・ベイカー)』がフロイトの思想そのものではなく、フロイトの生涯を描いたように、カントの生涯を刻むことによって、カントの主張を浮き彫りにしようとしているような気がします。

 私は、この本を中島義道さんによるカントの肖像画だと思いました。もちろん、カント自身をモデルにして描かれたものではなく、残された様々な記録を紡いで織られたものです。

 色彩には、後の哲学者が採掘した顔料も塗り重ねられ、事実を追求するというよりも、中島義道という哲学者の分析というか、解釈が深く刻みこまれています。

 カントという良くも悪くも偉大な哲学者の存在を、一人の人間として親しみを込めて掘り下げることによって、市井の哲学者たちが、読書メーターという井戸に感想・レビューを持ち寄るためのテーマを提供してくれています。
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