ブッダが説いたこと
- ブッダが説いたこと (岩波文庫)
- 岩波書店
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《私は本書で、ブッダの教えの中で中心的、基本的とされるものをすべて論じた。それらは、四聖諦 八正道 五集合要素 カルマ 再生、条件つけられた生気、無我、正しい注意である。》
求道者ブッダは、われわれに何を説こうとしたのであろうか。それは、「われわれ一人残らず、求道者となり、真実の自己たれ」ということであった。われわれが知識をふりかざし、我執によって、思うままにならぬ「苦の人生」を惹起していることに気づかせてくれるもの、それが仏智なのである。
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彼が「あますところなく滅し、捨て、去り、脱す」べきことを説いたのは、「渇愛」もしくは「貪欲」、すなわち、越度の欲望のありように対してであった。欲望そのものを圧殺するのではなくて、炎のように燃える欲望のありようを厭い離れるがよいとするのである。それが《離貧》ということばの意味するところであり、かの師が弟子の魚籠たちに教えた欲望処理の方策であった。