生き延びるためのラカン
- 生き延びるためのラカン (ちくま文庫)
- 筑摩書房
- 本
佐藤優さんの『嫉妬と自己愛』の中に、斎藤環先生との対談が載っていたのですが、
その対談を読んだら、斎藤環先生の本が読みたくなりました。
そこで、先ず、ちくま文庫の中で、私の関心の輪に入りそうなタイトル
『生き延びるためのラカン』『承認をめぐる病』を選び、次に
PHP新書から『人間にとって健康とは何か』の3冊を買ってきて、
『人間にとって…』の次に、この『生き延びるためのラカン』を読みました。
曖昧な記憶と照し合せる限り『生き延びるためのラカン』は、20代の頃、
伊丹十三さんと岸田秀先生との対談『哺育器の中の大人』を読んだこと以来の
衝撃でした。
斎藤環先生いわく「日本一分かりやすい」とのことですが、この本には、
私にとって、ハードルが高かったです。
この本を理解する妨げになっているのは、先ず「現実界」「象徴界」
「想像界」を説明するための「シニフィアン」「シニフィエ」という言葉…
あれ『生き延びるためのソシュール』でしたっけ(・・? という部分で、
丸山圭三郎さんの『言葉とは何か』と『ソシュールを読む』の事項索引を
引きながら読み進めました。
次に「エディプス・コンプレックス」「去勢」という、あれ、
『生き延びるためのフロイト』でしたっけ(?_?) という部分がたたみかけてきます。
そして、実は、この辺が私にとっての難関でした。
でも、精神分析という世界を知っていて良かった…と思わせてくれる本で、
思わず岸田秀先生の『ものぐさ精神分析』と『続・ものぐさ精神分析』も
引っ張り出してきてきてしまいました。
そして、いまさらですが、丸山圭三郎先生の『言葉とは何か』と
『ソシュールを読む』に術語解説や人物紹介(索引)が付いていることに
気がつきました。
(なぜか“言葉とは何か”の人物紹介にラカンの文字がありませんでしたが…)
私に最も恩恵をもたらしてくれたのは、Lectureは、10
「対象a(タイショウアー)をつかまえろ!」でした。「対象a」とは
「欲望の源泉」のこと…決して確かめることは出来ないが、求めてやまない
「恋人の心」のようなもののようです。
機会があれば、皆さんに読んで欲しいと思うほど、面白い本です。
副読本が必要かもしれませんけど…何が良いですかねぇ~
丸山圭三郎さんの『言葉とは何か』あたりですかねぇ~