ペテロの葬列
人は、程度の差こそあれ、
いつまでたっても未熟なものなのだと思う。
そして恋愛や結婚は、
未熟な者同士が成長するプロセスで出会う出来事である。
人が成長するためは相手が必要だ、
しかし時として、相手を愛するがゆえに自分の素直な気持ちを抑圧し、
相手に本心を語れなくなることもあるのだろう。
しかし、愛し合うということは、
全てをさらけ出す勇気を持つことなのかもしれないし、
全てをさらけ出されても、許せる優しさをもつことなのかもしれない。
この『ペテロの葬列』は、
改めて、自分自身について、愛する人について、
考える機会を与えてくれる作品であった。
- ペテロの葬列
- 集英社
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