もう一度!?自分の小さな「箱」から脱出する方法
- 自分の小さな「箱」から脱出する方法
- 大和書房
- 本
この物語の舞台であるザグラム社がそうであるように、トップが、「箱」に入っている場合には、社員は「箱」に入らざるを得なくなるだろう。「箱」に入っているトップは、管理職にも「箱」に入るように促し、部下たちやサプライヤーを追い詰めていくという構造になってしまう。そして商品やサービスには魂が入らなってしまう。しかし、顧客は節穴ではない。モノを買いサービスを受ける時、どの企業の「箱」が最も軟らかいかを嗅ぎ分けているに違いない。組織の「箱」が硬いか軟らかいかは、入っている者には見えなくても、外からは丸見えだからだ。
再読時の感想・レビューをアップするのは、あまり好きではないのですけれども。今回『2日で人生が変わる「箱」の法則』と『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を最初に読んだときよりも丁寧に読んだので、迷わず投稿しました。前回の感想を忘れてしまったのか、自分が成長したからなのか、「箱」は違って見えました。
丁度6年前、この本に出合った時も、非常に大きな衝撃を受け、ブログやツイッターに書評をアップしたことを思い出します。あれから少しだけ成長しているはずの自分が行き詰り、ルー、バド、トムと同じように、自分を正当化するための手段を講じています。しかし、その結果は、仕事に集中できなくなるような混乱を招くだけ…やはり先ず自ら「箱」から脱出することが(極めて難しいのですけれども)先決なのかもしれませんね。
最近読んだ和書は、連載をまとめたりしたもので、全体的にまとまりがない感じだったのですが、アービンジャー・インスティチュートの本は、『7つの習慣』のように、順を追って徐々に紐解かれる構成で、腑に落としにくい(認めたくない)概念を理解させるための工夫が良くできていますよね。勉強になります。
この本があまり話題にならないのは、自己啓発書を読もうとする人の目的意識とタイトルがアンマッチだからでしょうか?また、最近は最初に結論がある書籍が多い中で、徐々に確信に近づいて行くという構成が読了を阻むためでしょうか?しかし、もう10年以上も前の本なのに、再読しても色あせた感じがしない『自分の小さな「箱」から脱出する方法』です。
幸せになるということはもちろん、成功するためにも、「自分だけが良ければいい」という姿勢は、得策ではないんですよね。自分のところに幸運を呼び寄せるためには、家族なら信頼が、仕事なら信用が大事です。無償の愛、約束を守ること…挙げればきりがありませんが、とにかく先ず「箱」をできるだけ軟らかくすること、できれば「箱」からでることが大事ですね。
岸見一郎先生のアドラー心理学関係の本を読んだ後、「箱」の法則、脱出する方法の順で再読したのですが、自分の心の平穏を妨げていたのは、自分自身の自己欺瞞であるという結論です。幸せになるためには、相手を信用・信頼し、私たちを主語で語ることが必要です。
アドラー心理学を学んで!?いる時にも感じたことですが、私が「箱」に入る(自己欺瞞に陥る)時は、「嫉妬」に苛まれている時です。もちろん、女性をめぐっての嫉妬ではなく、他人の才能や能力、与えられている(獲得した)立場や権限に対する嫉妬です。私はそれを克服するために、読書をして得た知識を元に「優越の箱」に入るのです(^^;
この本は、キーワードを和訳しているわけですが、原書では、どのような言葉が当てはめられ、どのように定義されているのか、興味があります。
脱出する方法、2日で人生が変わる、を復習し、ようやく『日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則』を読み始めました。舞台が日本ということで「垢抜けない感じなんじゃないかな」と心配していましたが、これはこれで面白いです。読了したら、感想・レビューをアップしたいと思います。