得られないことよりも、失うことのほうが怖い。
"10万円" 特別定額給付金の「申請書」が届いた。自治体の中には、職員に、
この"10万円"を寄付して欲しいと呼びかけているところがあるらしい。
人間の心理を考えると、それはちょっと辛いのではないだろうか?
そもそも"10万円" の特別定額給付金は無かった。それが、何の弾みか、
給付対象者は、基準日(令和2年4月27日)において、住民基本台帳に
記録されている者ということで、対象者なら誰でももらえるようになった。
1歳になる直前だった、私の孫ももらえるのだ。
当初は、新型コロナウイルス等の影響により収入が大きく減少した世帯に
対して一世帯あたり30万円の現金を給付する、という話だった。
当然のことながら、収入が大きく減少する可能性が低い自治体の職員は、
もらえない。しかし、当事者も、当事者ではない人も、この段階では。
疑問を感じる人はいないわけだ。
しかし、一旦もらえることになった特別定額給付金を、本人の意思に
ゆだねるにしても、寄付することを促されたとしたら、もちろん!と
気持ちよく差し出す人もいるだろうが、私だったら、欲しいという
気持ちと、他の人はどうするだろうとか、利他的な人ならどうするだろうとか、
思い悩むに違いない。
自治体の職員の方にも、いろんな事情があるだろう、先祖代々受け継がれた
資産があって、何も困っていない人もいるだろうし、決して蕩尽しているわけ
ではなくても、何らかの事情があって、お金がいくらあっても足らない方も
いるだろう。自治体の長には、想像力が必要だと思うのは、私だけ?