幸福の方程式
- 幸福の方程式 (ディスカヴァー携書)
- ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 本:山田昌弘、電通チームハピネス
新しい消費のカタチを探る 物質的豊かさを超えた幸福はあり得るのか? そのときの消費、産業は?
この本では、幸福解くカギとして、「つながり」と「時間」という二つの軸をあげています。それは、身近な人や社会から「自分の人生が肯定(承認)される」というのが、幸福の基礎にあり、社会の中で「将来にわたってそうである」と確信したときに、長続きする幸福が得られる。というものです。
私たちが「ビジネスで成功して高い収入や地位を得たい」と考えるのも、そのような状態になることで、承認され、延いては幸せになれると感じているからだと思います。そして、一度、高い収入や地位を得た人が、更に収入を増やしたり、もっと高い地位に昇ろうとするのは、その時点で得られた承認に満足できず、さらに収入を増やしたり地位が高くなれば、もっと大きな承認を得られると考えるからだと思います。
しかし、すでに誰も眼から見ても成功したように見える人が、必ずしも幸せを感じていないように見えるのは何故でしょう。それは、高い収入や地位だけでは、羨望されたり妬まれたりすることはあっても、必ずしも尊敬されるとは限らないからではないでしょうか?
誰もが住みたくなるような豪華な家具や調度品が飾られた大邸宅や別荘。一度は乗ってみたいスーパーカーや高級車。高級ブランドの服やバッグに靴。一流の料理人が貴重な食材を使って調理した料理やデザート。などに囲まれた生活も、なぜか、空しそうに見えるのは、私が僻みっぽいからでしょうか?
私には、むしろ、高い収入や地位についていなくても、誰もが社会的に価値があると認める活動に自分の人生を犠牲にして打ち込んでいる人の方が、多くの人に尊敬され、その結果として本人も幸せに見えるものです。