ディフェンスラインを上げろ! @ 作業興奮だ!

ディフェンスラインを上げろ!というタイトルですが、このブログのテーマは、サッカーではありません。私がディフェンスラインを上げろ!と言っているのは、個人や組織の能力の底上げを意味しています。天才ならともかく、凡人は、特定の能力を高めるよりも、汎用性の高い能力の底上げが大切です。この考え方は、私たち一人ひとりの人生にも、組織の運営にも、必要な意識をもたらすものだと信じています。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AI vs. 教科書が読めない子どもたち
AI vs. 教科書が読めない子どもたち
東洋経済新報社

人工知能プロジェクトによって暴かれた真実とは…?
 東ロボくん(ロボットは東大に入れるか、と名付けた人工知能プロジェクト)の本当の目的は、AIにはどこまでのことができるようになって、どうしてもできないことが何かを解明することで、AI時代が到来したときに、人間はどのような能力を持たなければならないかを明らかにすることだったそうです。得られた限りなく真実に近そうな仮説を示された私たちは、どのように対処すればよいのでしょうか(・・?


私たちの生活を脅かす社会の変化
『未来の年表』という本で示された「静かな有事」に対し、この本が掲げる問題は、私たちの生活を内部から壊すウイルスの様です。「AIは、人間の強力なライバルになる実力を培ってきており、多くの仕事がAIに代替される。残る仕事は高度な読解力と常識、人間らしい柔軟な判断が要求される分野で、AIでは対処できないが、多くの日本人の読解力が危機的な状況にあり、人間にとっても苦手な仕事である可能性が非常に高い。」


 少子高齢化に加え、やむにやまれず進行するAI化によって、多くの人が仕事を失い、それが国家にもたらすインパクトは計り知れない。


私たちは、AIに仕事を奪われることを望んでいた?
 社会の歴史って、合理化の歴史でもあるのではないかと思います。マークシートの試験だって、受験性を選別する作業を合理化するために、コンピューターで採点できるような方法を編み出したわけですが、ある意味、曖昧さをなくすという部分では、受験生が望んだ結果でもあります。


潜在していた読解力の低下
 テストの問題は、回答が選択式という制約もあり、文脈やスキーマが掴み辛い。短絡的に「教科書が読めない子どもたち=情報を理解できない人たち」と結びつけるのは…当然のことながら、子どもたちは、曖昧さを判断できなくなるわけですよね……しかし、読解力の低さは今に始まった話ではなく、対面や電話ではなく、E-mailによるコミュニケーションが増えたことによって、顕在化したのかも…?


あなたの読解力を壊滅的な状態…?
 私も、この本に掲載されている「東ロボ君が意味の違いを理解できないテスト」に挑んでみたのですが、あえなく撃沈してしまいました。もしかしたら10年間、お客様に読んでいただく文章を書いてきたというおごりが、拙速さにつながっていたのかもしれませんが、私の読解力も壊滅的な状態である可能性を否定できなくなってしまいました。


言葉の定義を明確にしよう!
 私は、新井紀子さんが、何度も繰り返し、言葉の定義を明確にしようとすることが印象的でした。それだけ、世の中に流布する言葉は、定義が曖昧なまま使われており、それが誤解を生んでいると感じていらっしゃるのだと思います。言葉の定義を明確にしてからコミュニケーションしようという姿勢があるだけで、私たちの読解力は、向上するかもしれませんね。


英語力の前に日本語力…?
 社員の英語力をTOEICで測っている会社は多いと思いますが、実際には日本語の読解力(書く力)の差が、ビジネスに大きな影響を与えている可能性がありそうですね。RSTテストで、東ロボくんに負けちゃう人もいるわけですけれども、少なくとも人間は、ディープラーニングができるわけですから、やるかやられるかだけですね。


人間に残される仕事は、新たな課題を生み出すこと…?
 私たち人間は、文章の意味を理解した結果をアウトプットする場合もあれば、理解したところに留まる場合もあるが、AIは意味を理解しているわけではなく、統計的な手法などを用いて判断しているに過ぎないということ(・・? AIは、答えのある問題を解くことはできるが、答えのない問題については、答えを選択したり、操作したりすることはできても、答えを生み出すことができない。新たな課題を生み出すこともできないのだろう。


書く側にも責任がある…。
 『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因(西林克彦 著)』を読むと読解力の問題は、読む側だけにあるのではなく、書く側にも責任があるような気がします。わかったつもりに起因する誤読は、読む人それぞれが持つスキーマ(あることがらに関する、私たちの中に既に存在している ひとまとまりの知識)によって、引き起こされるという話だからです。読者を想定して書く必要がありそうですね。


大人の読解力も低下している
 子どもたちだけではなく、大人の読解力も低下しているのだとしたら、文章を書く側が、分かりやすく書くしかないですね。基本中の基本ですけど、伝える側も受け取る側も、5W1Hを意識することが大切^^; 深みのある文章は、芸術になっていくのかも?


「わかったつもり」から「よりよくわかる」段階へ
 自分も「教科書が読めない子供たちさぁ~♪」と思った人は、迷わず『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』を手に入れてください。きちんと体系的に書かれているので、まどろっこしく感じたところもありましたが、読み終える頃には「矛盾」や「無関連」を克服し「わかったつもり」から「よりよくわかる」段階に到達できたのではないかと思います。目から鱗が落ちることは請け合いです。


AIに人を動かす知恵はある?
 35年働いてきた経験から、デール・カーネギーの本じゃないですけど、結局、仕事とは何らかの方法で『人を動かす』ことなんですよね。最終的に、モノやコトにお金を払ってくれる人のお財布を開かせること、そしてその前に、その仕事を選択し行動することを承認する人の気持ちを動かすこと……。それは、AIにできないことであり続けて欲しいと思います。


AIと人の共存
 愛知県では、市町村や民間非営利団体が結婚を希望する皆さんを支援しているそうです。詳しくはわからないのですが、上手く行かなかった事例は、AIが別のマッチングを捜し、それを更にボランティアの仲人さんがサポートするそうです。AIと人が、それぞれの特性を活かしてコラボレーションする理想の仕事かも?

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