フランス人は10着しか服を持たない
カバーの内側には、たいてい著者の華々しい経歴がに印刷されていますが、この本の著者には、そんなものはありません。しかし、ジェニファーは「鋭い感受性さえあれば何々博士でなくても良い人生指南書が書ける」ということを見事に証明したのです。
彼女は、パリのマダム・シックの家にホームステイしていた時、「物欲主義に踊らされないで素敵に暮らすということ…モノにあふれた社会の誘惑を避けること。それこそ繁栄と呼ぶのだろう」と悟ります。また「幸せとは欲しい物を手に入れることではなく、持っている物で満足すること」だと学んだのです。
「マダム・シックの家でも、マダム・ボヘミアンの家でも、ジムに通っている人は誰もいなかった。フィットネスについての考え方がアメリカ人とは違うのだ。彼らは家の掃除をしたり、車を使わずに歩いたり、階段をつかったり、歩いて用事を済ませたりして体を動かしている。」
なるほどそうか。家の掃除をすることがフィットネスになり、ジムに通わなくても良くなるとすれば、節約にもなり一石二鳥以上の利益が得られますよね。家事とフィットネスの一石二鳥!是非、習慣にしたいです!この話を読んだ後、ジョギングしている人を見かけると、その人の家に行ってみたくなるようになりました。
「ちゃんと似合ってる?…いまの自分の体形に似合う服を着ること…この服は、いまのわたしらしいと言える?…昔の服は。いまの新しいわたしにはふさわしくない…『10着のワードローブ』を念入りに選べば、結果的にいつもいい服ばかり着ることになる」
この本を読んだ後、もったいないと思って捨てられなかった服を着ている自分の姿を想像して、とても惨めな気持ちになりました。気に入らない服を着て、誰かに会っている時の自分は、とても肩身の狭い思いをしていて哀れだと思いました。20年前に買ったのスキーウエアすら捨てられないでいる私はシックじゃない…
シックは、「上品で洗練されているさま」垢抜けている、落ち着いている。エレガントは、落ち着いて気品のあるさま。優美なさま…いつになってもシック(エレガント)な女性は、ステキですよね。男性なら、ダンディさを貫きたいものです。
2016年の夏、どうしてもスーツを着なければならないシチュエーションがあって、夏物(安物)を買ったのですが、やっぱり男はいくつになってもスーツが似合うようでありたいなぁ~と改めて思いました。またカジュアルなシーンでも、TPOに合わせて、目立つことよりも、背景に馴染むような身なりを心掛けたいと思います(^^♪
値段に関係なく買ってもいい?というわけにはいきませんが、安いからといって、ときめかない服を買うことだけは止めようと思いました。というのも、私は安物のくたびれた服を、もったいないからと捨てられず、むしろ(とどめを刺すために?)優先的に着てしまったりしがちですからぁ~
2016年の12月17日…新婦の父としてモーニングコートを着た時に思ったこと…18世紀のイギリス貴族の乗馬服に由来するモーニングコートを着ることに必然性は感じませんが、そのようなことに拘る人がいるのなら、様式に従うのも服を減らす一つの方法かもしれないと思いました。
例えば、ブラックのツーピースとグレーのスリーピースに加えて、コールパンツ風のストライプが入ったパンツを揃えれば、ディレクターズスーツ風の着こなしも可能かな(・・?なんて考えるのは、楽しいです。
GDPを維持するという意味では、モノを買わない生活は考えものなのかもしれないですけれども、その分、一つひとつ単価の高いものを買うとか、人の手をかけて直したりして使い続けることによって、モノの消費からサービスの消費に転化すれば、ゴミは少なくなって良いかもしれない…集計期間490,000部のベストセラーとのことなので、アパレル産業の脅威にはなるかも…
地球規模で考えれば、社会は停滞しても良いと思います。いえ、むしろ停滞するべきでしょう。社会的に価値があると思う行為は、貧困に苦しむ人たちの選択肢を創造することでしょうか。国家や、個人が、他の国や他の人よりも富むことを追及している社会は、滅びる時へ向かって加速しているとしか言えませんから…