話が長くなるお年寄りには理由がある
- 話が長くなるお年寄りには理由がある (PHP新書)
- PHP研究所
- 2014-08-18
- 本
大阪大学人間科学部 権藤恭之准教授は、15年前から70代から
100歳以上まで1,500人の高齢者に面会し、今の生活に不安はないか、
自分の状態をどのように受け止めているかなど75項目の質問から
聞き取りを行ってきました。すると、意外な事実が浮かび上がってきました。
80代を過ぎると身体機能の低下にもかかわらず、今の暮らしを
肯定的に捉える感情や人生への満足感が高まっていくこと中でも、
百寿者の多くが多幸感を感じているということが分かったそうです。
70代のころまでは持ちやすい「できない自分を認めたくないという
感情や老いや死に対する不安」が、さらに年を重ねるとそうした否定的な
感情や不安は薄れ、穏やかで幸せな気持ちに包まれるというのです
こうした独特の心理状態は、「老年的超越」と呼ばれ、できないことが
増えても、できることに喜びを見い出すのも大きな特徴です。
権藤さんの調査によると、百寿者の多くが見えない人々とのつながりを
感じ、必ずしも孤立感を抱いているわけではないことも分かってきました。
私はまだ58歳なので、とてもそのような心境には到達できませんが、
40歳から64歳頃までの壮年期であっても、身体的な衰えは隠しようもなく、
仕事の面でも若い人にできること(理解できること)が出来なくなったり、
主力から外れる人も少なくないはずで、今の状態を肯定的に捉え、
前向きになる必要があると思います。
この「老年的超越」を分析し活用したいものです。