ジェニィ
- ジェニィ (新潮文庫)
- 新潮社
- 本
私は、この小説で、ギャリコに出会った。最近、小説が面白くないと
感じていた。なぜならば、一人の人間の頭の中にあることが、それほど
面白いはずがないと思っていたから。しかし、ジェニィは、そんな私の
先入観を木端微塵に砕いてくれたのです。
ジェニィは、ピーターという少年が、交通事故に遭ったことがきっかけで、
真っ白な猫になってしまうという奇想天外な話。でも、この手の話が苦手な人も
騙されたと思って読んで欲しい。ピーターとジェニィが繰り広げるスリリングで
感動的な大冒険は、リアリティのある描写に溢れ、まるで現実のようだから。
ポール・ギャリコ氏は、そうとうなネコ好きだったと思われます。
『ジェニィ』は、猫好きはもちろん、そうでない人すら猫好きに、
そして人間を好きにさせてしまう素晴らしい作品です。
『陽だまりの彼女』じゃないですけど、ピーターは、
ジェニィに人間になってほしいと思ったでしょうね(^^♪