ディフェンスラインを上げろ! @ 作業興奮だ!

ディフェンスラインを上げろ!というタイトルですが、このブログのテーマは、サッカーではありません。私がディフェンスラインを上げろ!と言っているのは、個人や組織の能力の底上げを意味しています。天才ならともかく、凡人は、特定の能力を高めるよりも、汎用性の高い能力の底上げが大切です。この考え方は、私たち一人ひとりの人生にも、組織の運営にも、必要な意識をもたらすものだと信じています。

 ソロモンの偽証: 第III部 法廷 下巻

ソロモンの偽証: 第III部 法廷 下巻 (新潮文庫)
ソロモンの偽証: 第III部 法廷 下巻 (新潮文庫)
新潮社
2014-10-28

 私は『ソロモンの偽証:第Ⅲ部 法廷 下巻(新潮文庫)』の
 9~467頁を読んでいない。
 だって私は、この部分を単行本の397~722で読んだから…
 でも、この本に収録された『負の方程式』を読むために、
 私は『ソロモンの偽証』の世界に帰って来たのだ。


 だから『負の方程式』を読み終えた今、この本を「読んだ本」に
 追加して良いよね。『ソロモンの偽証』を単行本で読んだ人は、
 誰もが(文庫版がリリースされた時)『負の方程式』って何だ?
 いったい何が書かれているの?と私の様に不満になっただろう。


 でも、その「読みたい、買うか、買うまいか」という欲求と逡巡は、
 単行本で読んだ人だけに与えられた特権なのだ!
 ――
 「大人の価値観で見ればば、誰も救われないどころか、迷惑にしか
 映らない学校内裁判を、小説の中とはいっても真実味を保って
 実現させた宮部先生は流石だと思った。


 具体的な内容を明確に覚えていないのだが、大人の弱みを掴み
 利害が絡む取引を提案することによって自分のやりたいことを
 実現させてゆく涼子に、意思の強さよりも成熟した魔女のような
 狡猾さを感じたのは私だけだろうか?


 いずれにしても人生のどこかで致命的な傷を負った戦士たちが
 自らを癒して行く過程は、感動的だった」


 神原君の証言で明かされた真相を裏付ける証拠はどこにもないわけだが、
 それは信じるしかないのだろう。そこだけは、ちょっとだけ引っかかる…
 ――
 この物語りを絶賛している宮部ファンもは、異口同音に
 「中学生のくせに賢すぎる。」と言っているが、
 私は『第Ⅰ部 事件』を読んだ段階で、これは、現実的な世界を
 舞台にしたファンタジーなんだと…彼らが使うのが、魔法ではなく、
 中学生としては類まれな知力であるだけだ。と思っている。
 ――
 これでもう、杉村三郎さんは、宮部みゆきさんにとっての
 看板俳優決定ですけれども、さて看板女優は誰にしようか?
 順当に行くと、摸倣犯の前畑滋子なのだが、杉村三郎さんを
 演じた小泉孝太郎さんが、1978年生まれの38歳で、
 滋子を演じた木村佳乃さんが、1976年生まれの40歳なので、
 ドラマでの共演も十分可能だろう^^;A
 ――
 人は、継続的に生きて行くために、成長してゆくために、自分を
 好きにならなければならない。自分自身を好きになるためには、
 自分自身が止むを得ず犯してしまった過去の過ちなどに決着を
 つけなければならない。


 この『ソロモンの偽証』で行われる裁判は、主人公たちが、自分の罪を
 複眼的な視点から見詰める為の儀式である。判決は、人から下される
 ものではなく、自分が自分に与えるべきものなのだろう。
 ――
 「人間は、それぞれの生きている意味に出来るだけ近づくために
 生きているのかもしれない」ということ…言い方を変えれば
 「よりよく死ぬために生きている」とも言えるかもしれない。
 自分に正直に、子供に誇れるように、懸命に生きたいものだ。
 ――
 人間は、言語を使って、過去のことも、未来のことも、自分が
 行ったこともない宇宙のことも知ることができるし、考えることが
 できる。だから、人間らしく生きるということは、未来のために、
 過去を活かすことなのだと思う。
 ――
 『ソロモンの偽証』を読み終えた後、『レベル7(1990)』
 『スナーク狩り(1992)』と古い宮部作品を読んだ。
 宮部さんの作品は、フィクションだとわかっていても、真相?を
 知りたくて深く読み込もうとしてしまう。現実よりも(ある意味)
 真実を表しているような気物語りは、私たちの身の回りでも
 起こっている出来事を映している鏡なのかもしれない。
 ――
 

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