ブッダに学び、解脱を目指す。

「ディフェンスラインを上げろ!」というタイトルから、「ブッダに学び、解脱を目指す。」というタイトルに変更しました。私の関心が、仕事から人生へと変わったからです。とは言っても、このブログのテーマは、仏教ではありません。自分が幸せになるために、他の人たちにも幸せになっていただくために、釈尊に始まる仏教の智慧、哲学のアプローチ、心理学の知識を学び、活用していきたいと思います。

ヴァン・ショーをあなたに

ヴァン・ショーをあなたに (創元推理文庫)
ヴァン・ショーをあなたに (創元推理文庫)
東京創元社

 17日かけて、宮部みゆきさんの『ソロモンの偽証』というフルコースを堪能した
 私が、デセールに選んだのは、近藤史恵さんの『ヴァン・ショーをあなたに』…
 『ヴァン・ショーをあなたに』は、前作『タルト・タタンの夢』で主人公である
 三舟シェフが、心身共に疲れた人に差し出すホットワイン…


 難解な『ソロモンの偽証』に対してとても分かりやすい作品だけど、決して
 物足らないわけではなく、「天空の泉」に出てくる「トリュフ以外はなんにも
 はいっていないただのオムレツ」のように、それなのにこんなにおいしく、
 作り方を教えてもらって何度作ったとしても、この味にはならない味…
 2014年10月09日に読了


 近藤史恵さんの文章は、とても読みやすい。何故、読みやすいのかは、明確に
 言えないけれども、表現が平易なのだろう。徐々に明かされる三舟シェフが
 フランスで修行していた頃のエピソード。彼の料理や味についての知識が、
 事件の真相や謎を解き明かして行く。美味しいだけでなく、栄養も満点な
 作品だった。


 ヴァンショーをあなたに >> 二十三歳の冬、貞治は、ストラスブールという街の
 ユースホステルで寝込んでいた。今夜は少し深く眠れそうだと思った時、
 派手な音がを立ててドアが開き、昨日からこのユースにやって来た三舟という
 男が大きいリュックを引きずりながら入って来た。貞治の様子がおかしいことに
 気づいた三舟は、鰹節を小さな削り器で削り、味噌の袋とカットわかめを持って、
 キッチンにおりていき、貞治の目の前には、日本でも滅多に飲んだことがないような、
 うまい味噌汁が、まるで魔法のように現れた…


 天空の泉 >> ヒサコが、直訳すれば「空の上のコルド」という美しい名前を持つ町に
 やって来たのは、夏の終わりだった。<シェ・アルチュール>というレストランで、
 出てきたギャルソンに連れと間違われた彼は、三舟忍と名乗り、ぺリゴールの
 レストランで働いている見習いだと言った。ヒサコは、この人に話を
 聞いてもらいたいと思い「軽く聞き流して欲しいんだけれど」と「恋人が家を
 出ていったの」と打ち明けるのであった。ついに三舟シェフがフランスで
 修行していた頃の秘密が明かされる?


 氷姫 >> 圭一は、友人の妹である杏子に思いを寄せていたが、杏子からは、圭一の
 後輩である悠人と結婚するというメールが送られてきた。コンビニで働きだした
 悠人であったが、客と喧嘩してナイフで刺し殺してしまう。婚約は帳消しになり、
 圭一は、友人から「杏子を頼む」と言われ、杏子と暮らし始めるのであった。
 三年後、出所した悠人は、冷凍庫に入ったままだったという、杏子が愛用していた 
 かき氷器に使うアルミの丸い容器を、凍らせたままクーラーボックスに入れ
 持ってきた。外出していた杏子は、いつものように氷をかいたのだが…


 マドモアゼル・ブイヤベースにご用心 >> ソムリエの金子さんから「お茶でも
 飲まない」と誘われた高築は「三宅シェフ、好きな人がいるみたいなのよ」と
 聞かされる。相手は、金子さんと高築が、こっそりマドモアゼル・ブイヤベースと
 呼んでいる、ときどき、ひとりでやってくる二十代後半ぐらいの客、彼女は毎回
 必ずブイヤベースを頼むのであった。しかし、ある日、いつもよりおしゃれをして
 やってきた彼女は、三十代半ばぐらいの男性を伴っていた。高築には、心なしか
 シェフの表情が険しい気がしたのであった…


 ブーランジェリーのメロンパン >> ビストロ<パ・マル>のオーナー小倉が現れ
 「パン屋をオープンすることにした。ふたりの若い女性にまかせるのだが、
 カフェを併設するので、パンに合うメニューを考えて欲しいと」三舟シェフに
 依頼した。周到なリサーチを怠らない小倉だが、開店する場所の裏には、
 昔からやっている小さなパン屋があるのであった。シェフがふたりの女性に
 料理を教える日、気軽に買ってもらえるパンを増やしたいという店長の斎木と、
 あくまでもフランス風のブーランジェリーにこだわりたいという中江の意見が
 食い違うのであった…


 憂さばらしのピストゥ >> 三舟シェフが以前働いていた店で見習いをしていた
 南野から「オーナーシェフとして店を出すことになった」という知らせが届いた。
 ほどなく、以前から席を予約していた客から今夜にも関わらず「ベジタリアンで
 あることを言い忘れた」との連絡が入った。三舟シェフと志村さんは、バターと
 生クリームの代わりにオリーブオイルと豆乳を使うという機転でピンチを切り
 抜けるのだが、客から聞いた、南野の店で食べたフランス伝統というピストゥが
 美味しかったという話に顔を見合わせるのであった…


 錆ないスキレット >> 軽い気持ちから、黒い痩せた猫に蒸し鶏の残りを
 与えてしまった三舟シェフ。並はずれた猫好きで、家に四匹も飼っているという
 志村さんは「猫に餌をやるということは、責任ができるのだ」だから、責任を
 取ってくださいと、シェフに迫るのだった。 しばらくして、もらわれて
 行ったはずの黒い猫と茶色いトラ猫が厨房口に現れる。彼らは、ハンカチの
 ようなものを首に巻いていて、風呂敷包みを背負ったように首のうしろが
 膨らんでおり、その中には煮干しが入っていた。風呂敷包みを背負っている
 猫の姿を思い浮かべると愛おしい。


 Wikipediaによると、うま味(旨み、旨味、うまみ)とは、主にアミノ酸である
 グルタミン酸(だし昆布やトマトなどの植物)、アスパラギン酸や、核酸構成物質の
 ヌクレオチドであるイノシン酸(鰹節などの動物)、グアニル酸(シイタケ)、
 キサンチル酸など、その他の有機酸であるコハク酸やその塩類などによって生じる
 味の名前。5基本味の1つ。
 

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